刺身の美しい切り方

刺身の美しい切り方

プロの技で仕上げる、刺身の美しい切り方を解説。

事前準備(仕上がりが8割決まる)

温度:芯温2〜5℃で “よく冷えた状態” にしてから切る(室温だと身が潰れる)。
筋目:必ず“筋(繊維)に直交” する方向で切る=歯切れが良くなる。
包丁:柳刃(刃渡り27cm前後)。刃全体を使い引き切り。1枚ごとに濡れ布で拭く。

基本フォーム(共通)

姿勢:まな板に対して体と包丁はやや斜め。刃は寝かせ気味。
動き:押さない。手前にスーッと一筆書きで引く(往復禁止)。
厚みの目安:並造りで7–8mm、薄造りで2–3mm。

代表的な切り方

平造り(ひらづくり):最も基本。マグロ・鯛・ブリ

柵の幅=切り身の長辺になる向きで置く
刃を軽く寝かせ、7–8mmで引き切り。角を立てると見栄え◎

そぎ造り:白身や身質の締まった魚(ヒラメ・鯛)

柵を斜めに寝かせ、包丁も寝かせてそぐように薄く(3–5mm)
面積が広くなり、艶が出る

薄造り(うすづくり):ヒラメ・フグなど

2–3mmで透ける薄さ
刃先→元まで長いストロークで一発。皿に扇状に配列

角造り(かくづくり):イカ・コリコリ系

棒状に整形→1.5cm角を目安に直方体へ
面のエッジを立てる。飾り包丁(格子)で艶と食感UP

糸造り(いとづくり):イカ・白身(細切り)

1–2mm幅で均等に。長さは6–7cmが食べやすい
端を揃え、束ねて盛る

松皮造り(皮つき炙り):鯛・カンパチ

皮目を軽く炙って氷締め→平造りで切る
皮ラインが上に見える向きで盛る

柵取りと端処理(地味に大事)

端落ち:最初の1枚は薄く落として切り口を整える(次からが本番)。
面出し:柵の最も美しい面を上面にして切ると光が乗る。
腹・背の使い分け:脂のある腹身=やや厚め、背身=基本厚で。
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